先日、建築家の坂茂(ばんしげる)が中日新聞に出てました。
東日本大震災の仮設住宅を設計しているらしいのですが。
「現地には平らな土地が十分に無い。いかに有効に土地を使うかを考え、三階建て仮設住宅を設計した。」
・・・けれど「前例がない」という理由で県の許可が下りなかったそうです。
「行政は市民と目線が全然ちがう・・・」と嘆いていらっしゃいました。
そういうことってあるよね。負けるな坂先生!
ところで、この坂茂先生は変わった建築をすることで有名です。
「紙」で建てるんです!うそみたい。
「紙管構方」といって直径330㎜厚さ15㎜の紙製パイプを柱とし、水平剛性は柱脚とブレースでもたせる。
これすごいよね。
東日本大震災でも、ハイチや四川の災害時の仮設住宅でも紙管構方で建てたみたいです。
なんでも、「世界中どこでも手に入る。安いし軽い。リサイクルもできる。」と絶賛。
おまけに「材料の強度と建築物の耐久性は関係ない。設計しだいで紙でもコンクリートより強い建築物ができる」とか。
すごく夢があるね。感動した。
しかし・・・さらに氏いわく、「津波がきても倒れない建物を造るのは無駄。人さえ助かれば建築物なんか壊れたっていい」などとも!こりゃえらいこっちゃ。
むむん・・・。日本的な「もののあわれ」だとか「はかなさ」のようなものに通じる無常観。我々建築にたずさわる者は「いかに建築物の強度を上げるか」に血道をそそぐことが常ではあるが・・・。ただものではない。
海外でのワークが多いようですが、日本の「住宅」についてもっと発言して欲しいと思います。