東京ステーションの続き。
いわゆる免震構造、この建物。こんなすごいことできるんだなあ人間って。感動。
建物と地盤面下の基礎との中間層に写真のような空間が。
免震アブソーバーの効果で地震の揺れを相殺。
言うのは簡単だけど、これを工事したひと達は大変だったと思います。
耐震じゃなくて、揺れを最小限にするしくみ。それでも、最大で30センチの揺巾らしい。そうとうゆれそう。
この前、名古屋駅の再開発現場に行ったとき、地下のピット近くまでもぐりました。
さながら、福島の復旧作業もこんな感じかって思うぐらい、壮絶な状況。
・・・そこは人間と地下水との戦い。どんどん地下水がでてくる。そんな中に巨大コンクリートの構造物を。
いやあ。これぞ日本の職人の技術力って関心しましたが、東京駅の地下水もきっとすごかったと思います。
東京駅に関しては最後に・・・。
雑誌の解説によると、「復元に関して「Authenticity(本物感)」を守ることに重点が置かれた」とのこと。
本物「感」ってところがね。「本物」じゃないんだ。
「reality」をとことん追求することは、技術的にも予算的にも困難。
でもそこで復元をやめちゃったら、退屈なビルディングがまた一つ増えただけだったでしょうね。
国内でも、こわすのか、のこすのか、議論されて結局「残った」建造物がいくつかありますが。
機能や経済効率を優先すればやっぱり「こわす」でしょしうね。
単純に建物をそのまんま残せば、場合によっては大規模災害時に危険な場所ともなりかねないし。
時代の要請にも応えなければならない。
そういう意味で、この東京駅の「復元」は大成功でいいと私は信じます。
あらためて「失ったことを嘆くよりも、いまできることをやってみよう。」っていう気持ちです。
・・・ところで、丸の内の辺って他の建物もほんとにかっこいい。
いつか旅したNYを思い出す。
雪の残った街路樹の歩道が異国情緒を醸しているね。
格子窓とした窓廻りや、アスファルト舗装にせず、石敷き(これもたぶん、本物感。)としたところに効果があった。
旅は「思考の深度を深め、自分との対話の場。」と言ったのは建築家の安藤忠雄ですが。
今回の旅(といっても日帰りですが。)も良い刺激を与えてくれました。きいんと頭すっきり。
これで【後編】終り。