名古屋木材会館にて「住宅問題研究会」出席。
木材工業新聞社の片桐氏による最近の住宅業界事情に関するレクチャー。
最も興味深い数字に関して触れておこう。
新設住宅着工数の推移。
2011年(83.4万戸)
2012年(89.3万戸)
2013年(95万戸以上の見込み)
リーマンショック後、東北大震災の復興需要等を経て順調に回復しているように見えるが・・・。
2014年4月引渡し以降の住宅には消費税8%が適応される。
駆け込み特需による建設、引渡しラッシュは本年度末までとみるのが妥当であろう。
歴史を振り返れば。
消費税3%が導入された平成元年には160万戸であったものが、平成3年ころまでには140万戸にまで減少。
平成9年の5%導入時には110万戸と、消費税増税により20~30万戸減少した経緯を思い出したい。
「2015年問題」
現在の住宅業界の好景気は、ポスト団塊世代といわれる1975~1982年に産まれた
一次取得世代に支えられた結果とも言える。38~45才くらいの丁度我々くらいの世代。
わが国の人口構成はこの「ポスト団塊世代」を境として少子化が加速した。
さらに、住宅ストック数は全世帯数を大きく上回っっている。
人口の減少を避けることは困難なようにも見えるし。
間違いなく、新設着工数は激減する。と、私も思う。
「2015年問題」とはそれらのわが国の事情から、「60万戸時代」がやってくるというものである。
ただしそれは暗い未来ではないかもしれない。
20年も前から言われていたのを今でも鮮明に覚えている。
「学歴なし、経験なし、コネなし」だった当時の私は漠然と住宅リフォームに可能性を感じていた。
「自分にもできるかも。」ってね。
「フローからストックの時代へ。」というスローガンは特に魅力的に思えた。
が、しかしそれはことごとく裏切られ、リフォーム産業はあくまでも新築需要の補完的な存在であった。
新規参入障壁がないこともあり、悪質な販売を行う業者が繰り返し摘発され、業界の成熟が進まなかったのも理由の一つかもしれない。
「ストックの時代。」それがいよいよ現実のものとなる時が来たか。今回は信じてもよさそうだ。
今度こそ本物の「リフォームの時代」の到来という意味で、私は歓迎するのでした!